・修行目的の確立…何のために修行するのか

人は明確な目的がなければ、積極的な行動ができません。
拳士は先ず、修行の目的を明確にすることです。
前述の通り少林寺拳法の修行は「護身練胆」「精神修養」「健康増進」の「三徳」を兼備したものです。

拳士は自己確立の基となる、身心ともに健全でたくましい自己、また、自他共楽に根ざした理想境(社会)の実現という目的に向けて、積極的な行動ができる自己に改革していくよう努力します。 ここに修行の意義があるのです。

・修行の順序…何事も学ぶには順序がある

少林寺拳法は技術的要素が多いので、修行を志す者は、技術の修得をおろそかに考えてはいけません。
技は初歩から一段一段、階段をあがるように順序だてて学ぶことが必要で、一足飛びに高度な技へ進むことはできません。

一つ一つの段階で地道な努力を繰り返すことにより、体に技が定着し、高度な技を修得することができるのです。

・基本を学ぶこと…基本は上達の第一歩

少林寺拳法の技法には三法・二十五系・六百数十種の技があります。
まずその系列の基本を学び、それに熟達しなければなりません。
基本形は、先人の経験を集約し到達したものです。

それに熟達すれば一層早く上達することができます。

基本技、基本形を無視して乱捕りに熱中しても、無駄が多くて効果はあがりません。
理にかなう基本を身につければ、実践でも自然に体が動くようになります。

・理を知る事…原理を知る事が上達への早道

少林寺拳法は、系統だった組織と科学的な原理に基づいて構成されている高度な技術です。
これを単に技や手足の動作だけで理解しようとすると、到底その全貌を知ることができません。 

技とともにその原理を学び、技法構成の原理を知って修練すれば上達が一段と早くなります。

・数を掛けること…人、十度、我、百度

上達しようとするなら、努力と忍耐が必要です。
根気と努力のみが、凡人を非凡にする唯一の道です。

少林寺拳法は、基本に忠実に、理をよく知って、法形に従って、失敗したことよりうまくいったことを大切にし、数をかけることが上達の第一条件です。

・修行を片寄らせないこと…

得意な科目に集中しない

少林寺拳法は、剛柔一体であり、拳禅一如の修業法です。
剛柔の一方に片寄ることなく、また技だけではなく精神面の修養にも努め、技術とともに人格の向上に努めなければなりません。
演武や乱捕りばかりに熱中することはあまり好ましくありません。

・体力に応じて行うこと…

無理なく楽しく修行する

少林寺拳法は養行です。
そのため体力差を考えない苦行のような修練はしてはいけません。
体力に応じて技を楽しみ、術を楽しみながら修行をすることによって道場に通うのが楽しみになるような、厳しいながらも楽しい修行の在り方でなければいけません。

・永続して行うこと…継続は力なり

少林寺拳法は高度な技術と、広く深い内容を持つ道であるため、コツコツと忍耐強く、永続して修行することに意義があります。
休まないように修練を続けないとなかなか会得できないものです。